Gastroenterology
Gastroenterology
Division of Gastroenterology, Department of Internal Medicine,
Faculty of Medicine, Saga University
新着情報
炎症性腸疾患市民公開講座 in SAGA 2023 公開動画
教授挨拶
大学病院を受診される皆様へ
令和2年4月1日付で藤本一眞教授の後任として内科学講座消化器内科教授に就任しました江﨑幹宏です。我々の消化器内科では食道、胃、小腸、大腸といった消化管全般の疾患に加え、胆嚢、膵臓の疾患に至るまで幅広い消化器疾患を診療の対象としています。これらの消化器疾患にはがんや炎症、機能性疾患など様々な疾患が存在しますが、時代とともにその中心となる消化器疾患は変遷しています。例えばHelicobacter pylori (H. pylori)菌感染率の低下とともに胃がんの罹患数は減少傾向にありますが、食生活の欧米化とともに大腸がんの罹患数は増加し、日本の最新のがん統計では第1位の罹患数となっています。H. pylori菌感染率の低下に加えて、超高齢化社会という人口構成の変化は逆流性食道炎の増加や消化管出血の原因疾患の変化ももたらしています。また、食生活の変化は潰瘍性大腸炎やクローン病といった炎症性腸疾患の本邦患者数の急速な増加の主な要因と考えられています。一方、カプセル内視鏡やバルーン内視鏡といった小腸内視鏡の開発に代表されるような内視鏡機器の進歩により、従来は「見えなかった」病気が「見える」ようになり、消化器疾患は多様化しています。私はこれまでの疾患に加えて、新たな疾患、専門性の高い疾患に対しても適切に対応し、最良の医療を提供することは大学病院の果たすべき使命と考えています。さらに、がんをはじめとする消化器疾患では、血液・腫瘍内科をはじめとする他専門領域の内科、消化器外科、放射線科といった他の診療科との密な連携も欠かせません。総合病院である大学病院の強みを活かしながら、私は患者さんの病気の状態に応じた適切な治療を提供できるよう努めていきたいと考えています。
地域の皆様に安心して頼っていただける基幹病院として、また高度かつ最先端の医療を提供できる医療機関として医局員一同頑張っていきたいと思いますので、どうぞ気兼ねなく受診されてください。
消化器内科 教授 江﨑幹宏
医療関係者・学生の皆様へ
令和2年4月1日付で藤本一眞教授の後任として内科学講座消化器内科教授に就任しました江﨑幹宏です。就任に際し、私は以下の7つの基本理念に基づき消化器内科の臨床・研究・教育に従事し、医局の発展に努めていきたいと考えています。
<基本理念>
佐賀大学医学部医学系研究科は「医学・医療の専門分野ににおいて、社会の要請に応えうる研究者及び高度専門職者を育成し、学術研究を遂行することにより、医学・医療の発展と地域包括医療(地域社会及び各種の医療関係者が連携し、一眼となって実践する医療)の向上に寄与することを目指す。」といった基本理念を掲げています。すなわち、佐賀大学医学部附属病院に勤務する医師は、高度医療機関である大学病院の側面から専門性の高い疾患や高度先進医療を提供できる病院としての責務を果たす使命があると考えています。そのような大学病院に対するニーズに適切に応えることができるよう、我々は医療知識や技能を常に磨いておく必要があると考えています。また、「医は仁術なり。仁愛は心を本とし、人を救ふを以志とすべし。我が身の利養を専に志すべからず」といった医師の本分を忘れず診療に従事し、地域の先生方に信頼していただけるような医局づくりを目指していきたいと考えています。
一方、大学病院は研究や教育においても果たすべき重要な使命が課せられています。このような使命を果たす手法として、私は母教室の教えに則り、「1例1例を大事にし、診療経験から生じた疑問を研究で解決する」ことを常に意識しながら診療と研究に携わってきました。臨床から生じる疑問は国内外から報告される論文から知識を習得することでもある程度解決することは可能ですが、自らが研究に携わり成果を導き出すために努力を積み重ねることがきわめて大事だと思っています。研究方法として臨床研究の重要性は疑う余地はありません。しかし、昨今の臨床研究では多数例を用いた解析でなければ評価の対象として認められない傾向があります。これを克服するには、佐賀県内、九州全体、あるいは全国レベルでの多施設研究に積極的に参加するとともに研究を主導していくことが臨床研究を実施していく上で重要と考えています。一方、臨床データだけではなく基礎部門とも連携することは、研究の質を深め新たな知見を見出す上で有用な手法ですし、また基礎研究に携わることは新たな視野・可能性を広げる上で大切だと思っています。
継続的な研究を実施可能とするために、私は大学病院と関連施設を中心としたデータベースを整備し、九州全体、全国レベルでの多施設研究への参加・主導が可能となるような体制をまず整えていきたいと考えています。同時に、基礎部門との連携体制を確立し、発展性の高い臨床・基礎研究ができる体制を整えていきたいと考えています。その点において、佐賀大学は臨床部門・基礎部門、あるいは各診療科の垣根が低く協力体制が得られやすい施設だと感じています。研修医・医学部生の教育においても本大学は能動的学習を積極的に推進していますので、自らが積極的に学ぶ姿勢を持っていただくことが大事ですが、消化器疾患研修・学習に際しては、疾患の病態から理解が得られるような教育体制も作っていきたいと思っています。
ただ、このような体制を構築し継続していくために必要なのは、やはり「若い力」です。現在、消化器内科に所属する医師は向上心に溢れていますし、若手を育てようとする気概に満ちています。このホームページをご覧になった研修医あるいは学生のみなさんが消化器内科に興味を持ち、自らがその力になろうと門戸を叩いてくれることを期待しています。
消化器内科 教授 江﨑幹宏
外来診療担当表(R4.4.1.~)
外来診療は予約制*です。お電話にてお問い合わせください。
肝胆膵疾患は、肝臓内科にご紹介ください。
地域医療連携室(予約窓口) TEL 0952-34-3482 (直通)/TEL 0952-31-6511 (代表)
予約受付時間:平日9:00~17:00
*紹介状に医師の指名がある場合は、可能な限り指名された医師が対応します。
IBD (inflammatory bowel disease): 炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎、クローン病など)
佐賀胃腸懇話会年間スケジュール
画像診断勉強会
研究室概要
診療内容
消化器内科では、毎日、消化器専門外来と消化器内視鏡検査・治療を行っています。
下記の疾患を中心に診療を行っています。
食道癌、胃癌、大腸癌、大腸ポリープ、炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎、クローン病)、逆流性食道炎、胃十二指腸潰瘍、H.pylori関連疾患、小腸腫瘍、消化管出血など
検査・治療実績
内視鏡検査は年間に上部消化管内視鏡検査を約3000件、下部消化管内視鏡検査を約1500件行っています。その他、ダブルバルーン小腸内視鏡、カプセル内視鏡も行っています。治療内視鏡は、内視鏡的粘膜下層剥離術(上部 120件以上、下部 50件以上)、内視鏡的粘膜切除術 300件以上、上部・下部消化管出血止血術、内視鏡的静脈瘤結紮術、内視鏡的硬化療法を行っています。
研究内容
炎症性腸疾患(IBD)の診断・治療あるいはバイオマーカーを中心とした研究を行っています。現在、「難治性炎症性腸管障害に関する調査研究」班においてクローン病に関するカプセル内視鏡の有用性に関する多施設共同研究を進めています。狭帯域光観察技術を用いた腫瘍性病変の同定や悪性度診断および炎症性腸疾患の内視鏡診断の研究を行っています。さらに、ダブルバルーン内視鏡やカプセル内視鏡を用いた小腸疾患の診断と治療に関する研究を行っています。
製薬会社が新薬の製造を厚生労働省に承認申請するために、必要なデータを収集する事を目的として、病院に依頼して行われる臨床試験のことを治験といいます。当院では、治験に参加していただける方を募集しています。興味をお持ちの方は、臨床研究センターまでご連絡ください。
佐賀大学医学部附属病院 臨床研究センター TEL:(0952) 34-3400(月曜日~金曜日 8:30~17:00)
*募集人数に達した場合や参加条件に当てはまらなかった場合などには、参加いただけない場合がありますので、あらかじめご了承ください。
入局希望の方へ
佐賀大学病院および消化器病学会・消化器内視鏡学会認定の関連施設で研修を行い内科専門医の取得を目指します。更に、日本消化器病学会および日本消化器内視鏡学会専門医を取得します。佐賀大学病院では主に消化管腫瘍や炎症性腸疾患の病態と診断を学び、X線・内視鏡検査と内視鏡治療の手技を修得するとともに臨床研究も担います。関連病院では消化管疾患の診断と治療を実践し、そのほか多くの症例を経験し内科医としての基本的臨床能力を高めます。(オール佐賀 内科専門研修プログラムを参照ください)
関連学会
日本内科学会
日本消化器病学会
日本消化器内視鏡学会
日本消化管学会
日本カプセル内視鏡学会
日本炎症性腸疾患学会
日本小腸学会
日本胃癌学会
日本大腸検査学会
日本大腸肛門病学会
専門医取得
日本内科学会総合内科専門医
日本消化器内視鏡学会専門医
日本消化器病学会専門医
日本消化管学会胃腸科専門医
カプセル内視鏡認定医
大学院
希望により学内外の基礎講座での研究や社会人大学院での臨床研究を行い、博士号取得を目指します。
Contact
気軽に相談してください。
消化器内科医局 (0952) 34-2361
担当 坂田資尚
E-mail: sakatay@cc.saga-u.ac.jp
スタッフ紹介
江﨑幹宏
Motohiro Esaki
教授
診療科長
1992年 九州大学卒
医学博士
総合内科専門医
日本消化器病学会専門医・指導医
日本消化器内視鏡学会専門医・指導医
胃腸科専門医・指導医
カプセル内視鏡学会認定医・指導医
早期胃癌研究会 運営委員長
佐賀県胃癌・大腸癌検診医会 会長
下田良
Ryo Shimoda
光学医療診療部
准教授
1996年 佐賀大学卒
医学博士
日本内科学会認定医
日本消化器病学会専門医・指導医
日本消化器内視鏡学会専門医・指導医
胃腸科専門医・指導医
日本消化器病学会 学会評議員
日本消化器病内視鏡学会 学術評議員
坂田資尚
Yasuhisa Sakata
講師
副診療科長
1998年 佐賀大学卒
医学博士
総合内科専門医
日本消化器病学会専門医・指導医
日本消化器内視鏡学会専門医・指導医
胃腸科専門医・指導医
カプセル内視鏡学会認定医
H. pylori(ピロリ菌)感染症認定医
日本消化器病学会 学会評議員
日本消化器病内視鏡学会 学術評議員
鶴岡ななえ
Nanae Tsuruoka
特定講師
2004年 佐賀大学卒
医学博士
総合内科専門医
日本消化器病学会専門医・指導医
日本消化器内視鏡学会専門医・指導医
胃腸科専門医・指導医
H. pylori(ピロリ菌)感染症認定医
日本消化器病学会 学会評議員
日本消化器病内視鏡学会 学術評議員
芥川剛至
Takashi Akutagawa
光学医療診療部 助教
病棟医長
2010年 佐賀大学卒
医学博士
総合内科専門医
日本消化器病学会専門医
日本消化器内視鏡学会専門医
胃腸科専門医・指導医
行元崇浩
Takahiro Yukimoto
助教
2011年 佐賀大学卒
医学博士
日本内科学会認定医
日本消化器病学会専門医
日本消化器内視鏡学会専門医
胃腸科専門医・指導医
武富啓展
Hironobu Takedomi
プロジェクト助教
2013年 佐賀大学卒
医学博士
日本内科学会認定医
日本消化器病学会専門医
日本消化器内視鏡学会専門医
胃腸科専門医
島村拓弥
Takuya Shimamura
助教(血液腫瘍内科兼務)
2014年 佐賀大学卒
医学博士
日本内科学会認定医
日本消化器病学会専門医
日本消化器内視鏡学会専門医
がん治療認定医
井上須磨
Suma Inoue
医員
2018年 佐賀大学卒
荻野祐也
Yuya Ogino
医員
2019年 自治医大卒
松尾真紀子
Makiko Matsuo
光学医療診療部 医員
2020年 佐賀大学卒
柯 懿玲
Irei Ka
医員(福岡大学消化器内科)
関連病院
常勤医師派遣
佐賀県医療センター 好生館
緒方伸一 (消化器内科部長)、冨永直之、
樋高秀憲、中山賢一郎、中西 朗、朝長道人
国立病院機構 嬉野医療センター
綱田誠司 (内科第一部長)、山口太輔、
田中雄一郎、藤本峻、水田優美、野村忠洋
唐津赤十字病院
多久市立病院
後藤祐大 (院長)、渡邊聡、芥川加代
祐愛会 織田病院
松永圭司 (消化器内科部長)、坂田奈津子、
長妻剛司
高邦会 高木病院
山内康平 (消化器内科部長)、島田不律、平野里佳
大山隆
済生会唐津病院
遠藤広貴 (光学診療部長)、白井慎平、沖井詩織、大谷剛史
伊万里有田共立病院
川久保洋晴 (医局長)、岡本憲洋、浦崎永史郎
富士大和温泉病院
福山浩二 (内科主任医長)
国立病院機構 佐賀病院
松永拓也
JCHO 佐賀中部病院
中野良,、檀上晶子
ひらまつ病院
坂田泰志、福田佳代子
大和正信会 ふじおか病院
松浦聡子、山崎智子、鶴田紗奈江、成瀬尚美
森山胃腸科
山口加奈子
熊本中央病院
大谷響 (健診センター所長)
荒尾市民病院
山本甲二 (消化器内科部長)、河合雅子
JCHO 人吉医療センター
森田秀祐
山口県済生会豊浦病院
小山孝則 (内科科長)
慶応義塾大学病院
中山敦史 (腫瘍センター)
小川島診療所
貞島健人
神集島診療所
江口紘平
関連病院MAP
医師派遣病院
非常勤
ロコメディカル
江口病院
朋友会 山口病院
松籟会 河畔病院
春陽会 うえむら病院
至慈会 高島病院
白石共立病院
幸善会 前田病院
小柳記念病院
平川病院
芳山堂 薬師寺医院
ぶどうの木クリニック
陽明会 樋口病院
小城市民病院
東佐賀病院
長生会 島田病院
新古賀クリニック
ゆたか内科消化器科
クリニック
長愛会 菊地病院
佐賀県産業医学協会
佐賀県健診・検査センター
業績集
2021年
原著論文
著書
総説
2020年
原著論文
Cecal Intussusception Diagnosed by Total Colonoscopy in a Child: A Case Report T, Esaki M, Nakayama A, Ichinose F, Matsuo M.Front Pediatr. 8:438, 2020. doi: 10.3389/fped.2020.00438.
Intestinal cancer in patients with Crohn's disease: A systematic review and meta-analysis Uchino M, Ikeuchi H, Hata K, Minagawa T, Horio Y, Kuwahara R, Nakamura S, Watanabe K, Saruta M, Fujii T, Kobayashi T, Sugimoto K, Hirai F, Esaki M, Hiraoka S, Matsuoka K, Shinzaki S, Matsuura M, Inoue N, Nakase H, Watanabe M.J Gastroenterol Hepatol. 2020 doi: 10.1111/jgh.15229.
Adding Thiopurine After Loss of Response to Infliximab Versus Early Combination in Treating Crohn's Disease: A Retrospective Study K, Hirano A, Torisu T, Esaki M, Moriyama T, Umeno J, Kawasaki K, Fujioka S, Fuyuno Y, Matsuno Y, Kitazono T.Dig Dis Sci. 2020 . doi: 10.1007/s10620-020-06600-z.
Does anti-tumor necrosis factor alpha prevent the recurrence of Crohn's disease? Systematic review and meta-analysisUchino M, Ikeuchi H, Hata K, Minagawa T, Horio Y, Kuwahara R, Nakamura S, Watanabe K, Saruta M, Fujii T, Kobayashi T, Sugimoto K, Hirai F, Esaki M, Hiraoka S, Matsuoka K, Shinzaki S, Matsuura M, Inoue N, Nakase H, Watanabe M.J Gastroenterol Hepatol. 2020 doi: 10.1111/jgh.15288.
Linked Color Imaging Focused on Neoplasm Detection in the Upper Gastrointestinal Tract: A Randomized Trial. Ono S, Kawada K, Shimoda R, et al. Ann Intern Med.2020 Doi: 10.7326/M19-2561.
Gastrointestinal adverse reactions reduce the success rate of Helicobacter pylori eradication therapy: A multicenter prospective cohort study. Kakiuchi T, Endo H, Sakata Y, Esaki M, et al. Helicobacter Nov 17; e12776. 2020
2019年
原著論文
佐賀大学医学部内科学講座 消化器内科
〒849-8501 佐賀県佐賀市鍋島5丁目1-1
TEL (0952)31-6511 (代表) / (0952) 34-2361 (医局直通)